テスト前になると、多くの生徒が「とにかくワークをもう1周しよう」と言って、最初のページから順に解き始めます。しかし、実際に点数を伸ばしている生徒に共通しているのは、量をこなすのではなく、間違えた問題を徹底的に“解き直す”姿勢です。解き直しは、一見地味で時間がかかる作業に思えるかもしれませんが、短期間で成果を出すためのもっとも効率の良い方法です。
間違えた問題には、自分が理解していない部分や、思い違い、解き方の癖などがそのまま現れています。テストで点を落とすのは、ほとんどの場合「できなかった問題」からであり、そこを放置して繰り返し同じ勘違いをしてしまうのが最大のロスです。解き直しは、その弱点をピンポイントでつぶしていく作業なので、学習効果が非常に高いのです。
また、人は“自分が間違えた問題”の方が記憶に残りやすいという性質があります。同じ問題にもう一度向き合い、正しい解き方を自分の力で導き出すことで、理解が深まり、次に同じタイプの問題が出た時にスムーズに解き進めることができます。その小さな成功体験が積み重なることで、自信にもつながり、次の勉強への意欲も自然と高まっていきます。
テスト直前の限られた時間で結果を出すには、自分が“できなかったところ”と向き合うことが最も近道です。解き直しは面倒に感じる瞬間もありますが、やればやるだけ点数に直結する確かな勉強法です。あと少し伸ばしたい、この単元が心配だと感じる人こそ、ぜひ今日から解き直しに取り組んでみてください。きっと次のテストでその効果を実感できるはずです。